マンション管理フロントは、多くの方々が居住する分譲マンションの維持管理に欠かせない存在です。
業界未経験からのスタートも可能で、キャリアアップや管理職へのチャレンジの道も開けています。「自分のスキルが活かせるのか」「どんなやりがいがあるのか」詳しく知っておきたいという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、マンション管理フロントの役割・業務の魅力・キャリアパスについてお伝えします。
課題解決・対人コミュニケーションなど多彩なスキルを磨きながら、個人の裁量で仕事を進められる、マンション管理フロントの魅力をぜひ知ってください。
目次
「マンション管理フロント」の役割とは?
「マンション管理フロント」は、マンション管理になくてはならない存在です。多くの区分所有者が居住する分譲マンションを支えるために、大きな役割を担います。
管理会社とマンションの住民をつなぐ役割
「マンション管理フロント」は管理会社の代表として、マンションの運営サポートを担う社員です。
マンションの運営には、専門的な知識が必要です。
そのため、区分所有者からなる管理組合から、マンション管理会社に委託されることが多くあります。
全国にある約660万戸もの分譲マンションのうち、9割以上が管理会社へ管理を委託しています。
- 令和6年(2024年)4月1日時点における当協会会員が受託しているマンションは105,105組合・124,245棟・6,551,427戸であった
- 全国のマンションストック戸数(推計値)に占めるシェア率は92.7%
「マンション管理フロント」はマンションの管理・運営に欠かせない、ニーズの高い仕事です。
幅広い業務でマンション運営をサポート
「マンション管理フロント」は、マンション運営に関わる幅広い業務を担います。
管理組合の理事会・総会の運営サポート、建物管理を行う専門業者の手配、管理費の処理、マンション管理員やコンシェルジュの取りまとめや教育など、業務は多岐に渡ります。
「マンション管理フロント」の仕事について、詳しくはこちらもご覧ください。
(別記事へのリンクを設置)
「マンション管理フロント」業務経験の魅力
「マンション管理フロントの仕事は大変と聞く」「自分にもつとまるのか」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
マンション管理フロントの仕事は、確かに多岐にわたります。その分スキルが磨かれ、裁量を持って働けるのも魅力です。他業界からの転職でも、今までの経験を活かせる場面が多くあります。
マンション管理フロント業務の魅力を、求められるスキル・スキルアップの視点から解説します。
早く正確な事務処理能力
まず必要なスキルが、事務処理能力です。
マンション管理フロントの仕事には、多くの事務作業があります。
1人で複数のマンションを担当することも多いため、ひとつひとつの事務作業をスピーディーにかつ正確に行うことが、効率化につながります。
個人の裁量に任せられる業務が多いため、仕事の効率アップはそのまま自分へのメリットになります。作業負担や残業時間を減らす工夫も、自分次第です。
居住者の生活に思いを巡らす思考力
次は、課題解決のための思考力です。
ソフト・ハードの両面から、担当マンションの課題を把握する能力、改善にはどんな方法が有効かを考える能力が必須です。
課題を明確化して適切な対応をしたり、解決策を管理組合の方々と一緒に模索したりすることで、居住者からの信頼や期待値アップにつながります。
マンション管理に関わる幅広い知識
マンション居住者の暮らしを支えるためには、様々な専門知識が必要です。
マンション管理フロントとして、知識の勉強・アップデートは欠かせません。
必要な知識は以下のように多岐にわたります。仕事をしながら学ぶことができ、関連する資格取得に挑戦する人も多いです。
- マンションの建物・設備に関する知識
- 建築基準法・区分所有法など、マンションに関わる法律の知識
- 管理費・修繕積立金・会計報告に関わる会計の知識
- 事務作業に必要なパソコンの知識
- 時代に即した設備やツールの知識(例:電気自動車の充電設備・管理組合向けの導入アプリ)
これらの知識は、キャリアアップのために関係業種へ転職する時や、プライベートで分譲マンションを購入する時などにも、大いに役立ちます。
様々な人とのコミュニケーション能力
マンション管理フロントは、人を相手にする仕事です。
マンションの居住者はもちろん、一緒にマンション運営管理にあたる管理人やコンシェルジュ、設備メンテナンスをお願いする会社の方、官公庁の担当者や地域の自治会・周辺住民まで、さまざまな年代や背景の方々とのコミュニケーションで、マンションの運営管理が成り立ちます。
居住者の意見を集めたり、問題が起きないように折り合いをつけたり、さまざまな人とのやり取りが必要です。
時にはクレームを受けるような、難しい場面も想定されます。反面、感謝を直接お伝えいただける醍醐味もあります。
また、居住者の方々とは長期にわたるお付き合いになります。ご一緒に問題を解決したり、新しいことに取り組んだり、コミュニケーション能力をじっくりと磨ける仕事です。
フレキシブルな働き方
マンション管理フロントの業務は、個人の裁量に任される範囲が大きいのが特徴です。
担当するマンションに関わる業務を自分で判断しながら、時には社内にアドバイスを求めながら進めます。このため、仕事のスケジュールは自分でコントロールする必要があります。
社内で作業する事務処理、担当物件を訪問しての様子見、居住者をはじめとした関係者とのやり取りなど、仕事をする場所や人との関わり方は多彩です。
時間や場所のメリハリをつけて、自分でタスクを管理しながら仕事を進めるスキルが磨かれます。
「マンション管理フロント」のキャリアパス
マンション管理フロントは、業界未経験者からのスタートが可能です。
業務能力が身につき、必要な知識や資格取得にしたがって、キャリアアップの道も開けます。管理職ポジションへのチャレンジも可能です。
中途採用・未経験からのチャレンジも歓迎
マンション管理フロントへの転職は、多くの方に道が開かれています。
求人のほとんどは中途採用で、学歴を問わず未経験者でも採用されるケースが多いのが特徴です。
不動産業界でキャリアアップを目指したい方や、他業界での経験やスキルを活かしたい方に向いています。
未経験からでも知識や資格の取得が可能
マンション管理フロントに求められる知識や必要な資格は、未経験からでも習得が可能です。
代表的な必要資格に「管理業務主任者」があります。試験内容は暗記が中心で、コツコツ勉強しておけば、業界未経験者も取得が可能です。
資格保有者でなければ行えない業務もあるため、実務と並行して取得できれば、キャリアアップにつながります。
管理職などキャリアアップの道もある
マンション管理フロントへと転職できたら、まずは日々の基本的な業務にあたることからスタートします。
担当のマンションにより様々な業務があり、時代と共に状況の変化もあるはずです。複数のマンションを担当するなかで、様々な状況に対応できるスキルと経験が身につきます。
大規模な管理会社であれば、マンション管理フロントの管理職を募集しています。自分の経験をチームメンバーに共有し、マネジメント経験によってキャリアアップを目指す道もあります。
まとめ
この記事では、マンション管理フロントの役割・業務経験の魅力・キャリアパスについてお伝えしました。
マンション管理フロントは、多くの人が居住する分譲マンションを支えるために、大きな役割を担います。
マンション管理にまつわる多岐にわたる業務が経験でき、多くの関係者とのコミュニケーションや知識の取得からスキルが磨かれる仕事です。裁量を持って働くことができ、他業界での経験も活かせます。
また、業界未経験からのスタートも可能で、キャリアアップや管理職へのチャレンジも可能です。
「自分のスキルが活かせそう」「やりがいがありそう」と感じた方は、ぜひマンション管理フロントへの転職・キャリアアップに挑戦してみてください。