
マンション管理フロントに転職したいが、年齢がハードルにならないか?
40代〜50代でも、マンション管理フロントの仕事に転職はできるでしょうか。
今回は、40代〜50代の方がマンション管理フロントに転職する時、求められるスキルや経験、年齢を問わず転職するために実践できることを、事例もふくめてお伝えします。
この記事を読めば、マンション管理フロントへの転職には、これまで長年培ってきた仕事の経験やスキルが重要なことが分かります。
結論からお伝えすると、マンション管理フロントへの転職にはこれまでの仕事の経験やスキルがフィットしていて、必要な知識を補足できれば、自信を持ってチャレンジいただけますよ。
目次
マンション管理フロントは管理組合のサポートをする仕事

マンション管理フロントは、マンション管理運営のプロフェッショナルです。住民の方をはじめとする、区分所有者の方々で構成されるマンション管理組合をサポートしています。
40代〜50代の転職市場ではマンション管理人と間違われる場合がありますが、2つの仕事は役割も業務内容も大きく違います。
マンション管理人とマンション管理フロントの違い | マンション管理人 | マンション管理フロント |
一言で表現すると… | マンションの現場サポート | マンション管理組合のサポート |
役割 | ・マンションが快適であるように現場をサポート ・住んでいる方からの一次的な問い合わせやお困りごとを管理会社に報告してつなぐ | ・管理会社の代表として、現場にいる管理人のマネジメントも含めて幅広い運営業務を行う |
具体的な業務 | ・共用部設備(照明や駐輪場など)の点検 ・廊下やエレベーターなど共用部の清掃 ・業者による設備点検の立ち会い管理 ・会社への管理業務の報告 | ・必要書類作成などの事務作業 ・管理組合の皆さんが開催するマンション理事会や総会の運営サポート ・マンション設備の維持管理に関わる調整 ・管理組合内や地域の関係者との折衝業務 ・日々のマンション管理にあたる管理人やコンシェルジュのマネジメント |
マンション管理フロントはソフト面・ハード面とも様々な業務に対応し、マンション管理人のマネジメントも業務のひとつです。
複数のマンションを担当し、各マンションの管理組合をサポートしています。
マンション管理フロントの需要が安定

マンション管理フロントは、40代〜50代にも転職のチャンスがあるのでしょうか。傾向を調べてみると可能性があることが分かります。
- 市場規模の拡大傾向が予測され活躍の場が広がる
- 40代以降もマンション管理フロントの求人対象
マンション管理フロントへの需要は高く、40代以降も求人対象です。
市場規模の拡大傾向が予測され活躍の場が広がる
マンション管理市場は、今後も拡大傾向が予測されています。
マンション管理費市場は、2030年に9,764億円、共用部修繕工事市場は同年に8,181億円に達すると予測されています。
>>参考:マンション管理市場に関する調査を実施(2024年) | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所
この成長の背景は、以下の見込みがあるからです。
- 新築分譲マンションの供給が続くと、管理市場も拡大する
- マンションの経年劣化により修繕工事が増加する
- 今後大規模修繕工事の適齢期を迎えるマンションが増加する
さらに、今後はマンションに住む方の高齢化や建物の老朽化、人材不足による人件費の上昇、管理組合の収支悪化などの課題も顕在化してきます。マンション管理組合が対応する課題が大きくなる分、サポートするマンション管理フロントの活躍の場も広がると見込まれます。
40代以降もマンション管理フロントの求人対象
マンション管理フロントの需要は高く、さらに40代以降の方にもニーズがあります。
マンション管理フロント業務において、企業が40代以降の人材も視野に入れているのは、求人情報の年齢層記載からうかがえます。
例えば、PrimeCarriorでの求人件数を見てみると東京都で100件以上の求人があります。さらに[40代]のキーワードで絞り込んでも90件以上がヒットします。(2025年1月時点)
>>参考:Job Search「マンション管理フロント」(Prime Carior)
40代以降の人材は社会人経験が長いと見なされるため、信頼されやすい面もあります。マンション管理組合の理事長や理事の方が同じミドルシニア層あるいはシニア層だった場合は、信頼関係を築くとき有利になるでしょう。
40代以降の人でも、経験を活かすことができればマンション管理フロントとして活躍できる可能性が広がっています。
40代以降の年収アップは経験と実績がポイント

マンション管理フロントとしての40代以降の年収は、個々の状況によって大きく異なります。
年収は、個人のスキルや経験、勤務地や企業規模により決まってきます。中でも個人の経験と転職先での実績がポイントです。
一般的な目安として、求人情報や転職エージェントからの情報を以下にまとめました。
初年度年収 | フロント業務:初年度年収が400万円〜の求人がトレンド(東京都内勤務の場合) 中には500万円〜600万円の求人も見られる |
年収アップの可能性 | 年収の相場として主任・リーダークラスでは年収600万円程度、課長・次長クラスでは600万円後半から700万円年収800万円を超える求人情報も存在する |
>>参考:|Job Search「マンション管理フロント」(Prime Carior)
特にマンション管理フロントに求められる経験とスキルがあり、主任やリーダーといった役職者として実績が積めると、年収が上昇する傾向があります。40代以降は、これまでのマネジメント経験を活かした転職活動ができると、年収アップの可能性が広がります。
マンション管理フロントに年齢を問わず転職できる人4タイプ

マンション管理フロントに年齢を問わず転職できるのは、どのような人なのでしょうか。以下4タイプの特徴をまとめました。
- 業務内容の幅広さや継続性にやりがいを感じる
- 対人コミュニケーションに自信がある
- 事務処理に自信がある
- ITなど新しい知識も貪欲に学ぶ姿勢がある
特に40代〜50代の転職では、経験や適性との相性が重要です。詳しく解説します。
業務内容の幅広さや継続性にやりがいを感じる
マンション管理フロントの業務が幅広いこと、継続性のあることにやりがいを感じるタイプなら、転職後に活躍が期待できます。
マンションごとの様々な課題には、日々こまやかに対応する必要があります。
そして、マンションの建物は数十年のスパンで維持管理が必要ですし、管理組合とも長いお付き合いとなります。
>>関連記事:マンション管理フロントとは?仕事内容から必要なスキル、転職のポイントまで徹底解説
以下のような方は、特に転職後に長期にわたって活躍できます。
- 幅広い業務にマルチタスクで対応できる
- ひとつひとつは小さい業務でも、運営の積み上げにやりがいを感じる
- 管理組合の方と継続的に良い関係を築ける
- マネジメント経験を活かして、継続的に他のマンション管理フロントをサポートできる
特に40代以上の方で、マネジメント経験のある方は有利です。社内のメンバーを後方支援して、チームとして継続的に実績を生み出せれば、自身の評価もアップします。
対人コミュニケーションに自信がある
マンション管理フロントの業務には、対人コミュニケーションが必須です。
マンション管理組合の方々は、管理会社にとって顧客にあたります。そのため、満足度アップにつながる対応が欠かせません。時には住民の方からのクレームに対応したり、管理会社と管理組合の意見をすり合わせたり、難しい局面では対人スキルが欠かせません。
そのほか、マンション管理人やメンテナンス外注先とのスムーズな連携も、マンション管理フロントの腕の見せどころです。
特に以下の業務経験がある方は、転職時にアピールできます。
- 接客や営業など顧客対応をしてきた実績
- 顧客満足度を高めて成果を出した事例
- トラブル対応やクレーム対応を解決に導いた事例
円滑な対人コミュニケーションができて、顧客と信頼関係を結べる方が有利です。
事務処理に自信がある
マンション管理フロントの業務には、事務処理も欠かせません。
1人で複数のマンション管理を担うため、担当マンション分の手続きを滞りなく行えるスキルは必須です。
これまで磨いてきた事務処理スキルがある方なら、以下の業務で力を発揮できるはずです。
- 管理組合の活動記録作成
- 理事会や総会の議事録作成
- 提案のためのプレゼン資料作成
- 管理規約やマニュアル類の作成や改訂
- 工事や修理に関わる見積り依頼や確認
- 設備修繕プランの作成
事務処理のスキルに自信のある方は、業務効率化の面からもアピールが可能です。
ITなど新しい知識も貪欲に学ぶ姿勢がある
マンション管理フロントには、新しい知識を貪欲に学ぶ姿勢も必要です。
日頃の業務に必要な知識のアップデートはもちろん、マンションに関連する知識や新しい話題は、管理組合への提案に活かせます。
以下のように、マンション管理フロントの業務には幅広い知識が求められます。
日常業務に必要な知識 | 事務作業に必要なパソコンの知識関係者とのコミュニケーションに必要なITツールの知識 |
マンション管理運営に関連する知識 | マンションの建物や設備に関する知識建築基準法・区分所有法など、マンション管理に関わる法律の知識マンション管理に関連する会計の知識 |
マンション管理に関連する新しい話題 | 住民同士のコミュニケーションに導入できるアプリの検討電気自動車の充電ができる駐車場設備 |
新しい知識やスキルを自ら学び取れる姿勢を見せられると、転職後の活躍がイメージしやすく有利です。
マンション管理フロント 40代〜50代での転職成功例

40代〜50代でも、マンション管理フロントへの転職を叶えた方の事例は参考になります。
マンション管理フロントへの転職を突き詰めて考えた結果、求められる人材として、年齢の壁を越えて転職に成功できた事例が生まれています。
>>関連記事:転職成功事例 マンション管理フロント 『年齢でキャリアをあきらめない!50代微経験からマンション管理フロントへ復帰』|プライムキャリア
【転職者のプロフィール】
50代女性
【転職に踏み切った理由】
・マンション管理フロントとしての業務歴あり
・いったん別のお仕事をしながらも、自身のホスピタリティを活かせるマンション管理フロントに戻りたいと想いを持ち続けていた
事例を読んで「自分の経験・スキルからはマンション管理フロントしかない」と諦めない気持ちに共感できる方は、同じように転職を叶えられる可能性があるのではないでしょうか。
志望動機の見つめ直しや入社後の活躍をイメージするために、ぜひ実際の事例を参考にしてください。
マンション管理フロントに年齢を問わず転職する方法3選

マンション管理フロントに年齢を問わずに転職するには、どのようなコツがあるのでしょうか。以下3つの方法をまとめました。
- 自分の経験と知識を棚卸しする
- マンション管理に関わる知識を学ぶ
- 転職エージェントを活用してアドバイスを受ける
特にご自身の年齢をふまえて準備しておくことが大切です。それぞれ詳しく解説します。
自分の経験と知識を棚卸しする
マンション管理フロントに40代以降に転職するには、これまでの経験やスキル、資格、知識が重要になります。
転職エージェントによると、未経験からOJTを前提にしてマンション管理フロントに転職できるのは、20代〜30代までです。40代以降の方は、マンション管理フロントに求められるスキルや資格、知識をすでに持っていると示す必要があります。
棚卸しをしてみて、特に以下と重なりあう経験やスキル・知識があると有利です。
- 対人コミュニケーションが得意、実績がある
- 住んでいる方のニーズを適切にくみとれる
- 課題を把握して解決策を考えられる、提案力に自信がある
- 早く正確な事務処理能力に自信がある
- 不動産の幅広い知識がある
- 関連資格を持っている
>>関連記事:「マンション管理フロント」に向いているのはどんな人?仕事のポイントや良いところを解説
これまでのキャリアを網羅的に棚卸しして、自分の経験や知識が活かせるポイントを知っておきましょう。
マンション管理に関わる知識を学ぶ
マンション管理フロントの業務には、マンション管理に関わる専門知識が必須です。
転職前から学べる知識もあり、資格取得での証明も可能です。実務経験を補えるメリットもあるため、積極的に学んで損はありません。
特に40代以降でマンション管理フロントへの転職に挑戦する方には、以下3つの関連資格がおすすめです。
- 管理業務主任者
「管理業務主任者試験」に合格し、管理業務主任者証の交付を受けた国家資格者です。資格者のみが担当できる管理業務があるため、取得をおすすめします。
実務未経験の方でも、試験の合格後に登録実務講習を修了すると取得が可能です。
>>参考:管理業務主任者とは|一般社団法人マンション管理業協会
- マンション管理士
「マンション管理士試験」に合格し、登録を受けた専門家です。管理組合の運営やマンションの維持・管理に関する知識を取得しているため、管理組合や住んでいる方への助言に役立ちます。
>>参考:マンション管理士試験について|公益財団法人マンション管理センター
- マンション維持修繕技術者
「マンション維持修繕技術者試験」に合格して登録を受けた、メンテナンスの専門家です。マンション管理で避けて通れない長期修繕計画・大規模修繕工事への対応の際に、技能・知識が役立ちます。
>>参考:マンション維持修繕技術者とは|一般社団法人 マンション管理業協会
転職前から必要な知識を学び、資格の取得にたどり着ける方は「自分自身で知識を身につけられる方」と評価されます。
実務経験がある方に追いつくためにも、ぜひ転職前から知識の取得に挑戦しましょう。
転職エージェントを活用してアドバイスを受ける
マンション管理フロントへの転職を考える方は、転職エージェントを活用してアドバイスを受けましょう。
転職エージェントは企業側から求人の情報提供を受けています。求職者と企業をつなぐ立場から客観的にアドバイスを受けられるため、効率的に転職活動が可能です。
特に40代以降にマンション管理フロントへ転職したい方は、以下のポイントでアドバイスを受けると効果的です。
- 棚卸しした業務経験・スキルについて、第3者の目で強みを判断してもらう
- 具体的な求人情報に基づいて、転職活動の見通しを一緒に立ててもらう
- 様々な業界の求人を扱うエージェントではなく、業界に特化したエージェントを利用して具体的なアドバイスをもらう
自己判断でやみくもに企業への応募に進んだり、転職準備を進めたりしないことがコツです。マンション管理フロントの仕事は専門性も高いため、業界をよく知るエージェントからアドバイスを受けて、40代〜50代ならではの戦略を立てましょう。
まとめ:マンション管理フロントはこれまでの経験が活きる転職先
今回は、40代〜50代の方がマンション管理フロントへの転職ができるかを解説しました。
マンション管理フロントの仕事は、求人が安定しており、幅広いバックグラウンドの方にチャンスがあります。
40代〜50代からでも、幅広い業務に対応できる方、対人コミュニケーションや事務処理に自信のある方、自ら新しい知識が取得できる方なら、十分に転職できる可能性があります。
経験と知識の棚卸し、関連知識の取得から始めて、転職エージェントも活用できれば効果的です。
Prime Careerでは、不動産・設備・建設に特化した求人をご紹介しています。マンション管理フロントの求人も多く扱っており、実際にPrime Careerから転職を成功させた50代の事例もあります。業界の情報に詳しい専門の担当者もいますので、これまでの業務経験が活かせる求人があるのかなど、気になる点はぜひお気軽にご相談ください。