Prime Careerが実現したい未来と転職活動の問題点

コンサルタントコラムでは、Prime Careerのコンサルタントがリアルな転職現場の情報や独自のノウハウを発信します。

人材紹介/転職支援 という事業を通して

皆様、本コラムをご欄いただきまして誠にありがとうございます。
事業責任者の木下です。


第一回のコラムはPrime careerが目指す事業の方向性や転職支援に対する考え、将来成し遂げたいコトを発信します。
エージェントサポートを検討されている求職者様は勿論、中途採用を推進されている企業人事担当者の皆様にも閲覧いただけますと幸甚です。


Prime careerが成し遂げたいミッションは大きく3つあります

求職者様へ
キャリアの最盛期をアップデートし生涯年収の向上に貢献する


企業様へ
専門性の高い職種における即戦力及びポテンシャル人材の採用支援で事業成長に貢献する


社会へ
人材の流動性を高め日本経済の持続的な成長に貢献する

転職活動での問題

Prime careerが考える転職活動の問題点は大きく3つあります。

  1. 転職活動の進め方や方法が定着していない

  2. 年収アップ前提のプロモーション

  3. 確率論が中心のエージェント業界

転職活動の進め方や方法が定着していない

転職活動の進め方や方法に自信を持っている求職者の方は3%程度』


転職活動の進め方や方法について、「自信がある」とお答えになる求職者の方は、我々が面談する方を振り返って30人中1名、つまり3%おられるかどうかというのがコンサルタントとしての実感です。


“新卒一括採用で年功序列”
“メンバーシップ型雇用”
“35歳転職限界説”

特に、現在30代後半~50代の現役世代は、就職後の働く時間経過と共に、同時もしくは後から転職市場や転職でキャリアアップを目指す価値観が広がり、徐々に前向きな選択肢として定着していった年代ではないでしょうか。


その為、若いうちから“転職を前提としたキャリア形成”や“自分の市場価値”を考える発想、転職に関する知識、具体的な方法を体系的に学ぶ機会も少なく、ほとんどの転職経験者もいわゆる“我流”でその時に必要に迫られて何とか前進させたという方がほとんどではないでしょうか。


人生の意思決定の中でも極めて重要度が高いはずの“転職”や“キャリア”について、必要に迫られるまでは中々接点を持つことがなかったのではないでしょうか。


またできる限り短い期間で決着させる活動であるが故に、進め方や方法は断片的な理解や習得に留まりやすく、転職全般の能力アップや知識のストック化にまで昇華しにくいことは「自信のある転職活動」を進めていただくための課題と考えます。


一方で、近年ではキャリアに関する書籍や情報、企業研修の機会も増えてきました。
参考までに個人的に良書と思う書籍を挙げてみますと


「働き方の哲学 360度の視点で仕事を考える」
 キャリア・ポートレートコンサルティング代表 村山 昇さんの書籍(2018年3月)


「苦しかったときの話をしようか」
 元・P&G/USJ 現マーケティングプロ集団刀の代表 森岡 毅さんの書籍(2019年4月)


「転職2.0 日本人のキャリアの新・ルール」
 元・LinkedIn(リンクトイン)日本代表の村上 臣さんの書籍(2021年4月)


「キャリアづくりの教科書」
エッグフォワード代表 徳谷 智史さんの書籍(2023年6月)


企業・事業の寿命が短期化しているビジネス環境の中で、逆に人生100年時代と呼ばれる“ビジネスパーソンの寿命の延び”という現象がもたらすGAPが発生しています。


さらに、「VUCAの時代※」をどう生き抜くかという問題は、どの世代の方にとっても「働くことをいかにデザインし、自分らしいキャリアを構築するか」という課題として、向き合う頻度が急激に増してきていると感じます。


※VUCA Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つの単語の頭文字をとった言葉で、目まぐるしく変転する予測困難な状況を指す


昨今の働く環境の中で、上記でご紹介した書籍は、自分らしいキャリアを求めて何を実行すべきかの道しるべとして、大変役に立つ書籍であり、体系的に将来の備えを学ぶ素晴らしい情報源と考えます。


一方で、足元の転職活動自体をどのように進めるべきかという具体的な考え方や体系化された方法や作法については、まだまだ市場に普及していないと感じています。

『転職活動に関する質問』

転職活動に関する求職者の皆様から頂戴する質問は十人十色です。
はじめての転職の方や前回転職から期間が空いている方、回数を重ねておられる方からも様々な質問やサポートの依頼を受けます。


・自分の経験で業界や職種の幅を広げられますか?
・40代でもエージェントから大手企業のスカウトが届きますが可能性はあるということですか?
・短期離職で再転職となりますが、失敗しない企業選択の方法を教えてください
・応募書類は手書きの方が良い評価をもらえますか?
・志望動機はキャリアップとだけ答えていますが上手くいきません
・希望の年収条件が出るかをストレートに質問してよいですか?
・Web面接では原稿を用意して読むのが確実ですよね?
・カジュアル面談があるので、現職の上司との人間関係について、本音をぶつけようと
 思いますがどうですか?
・この企業の評価制度ってどんな内容ですか?
・同じ世代の方はどう進めていますか
・今の年齢で未経験から営業職にチャレンジは可能ですか?

小さな作法に関する質問から、進め方や考え方、可能性に関する質問まで様々なことで不安や不足、不明といった“不”を抱かれていることを日々実感しています。

『転職活動の進め方や方法を伝えサポートするのが強み』

Prime careerの転職サポートはこれまでの転職支援経験から得た体系化した進め方や方法・作法を皆様に共有しながら伴走することを強みとしています。

その中でも最も重視しているテーマは

・「考え方」(上流)が先で「テクニック」(下流)は後という順序です

転職の目的や将来の目標、市場価値、応募企業とご自身とのマッチポイント等、上流部分を固めてから、具体的な書類・面接のテクニックに着手しています。

勿論、何をどこまでサポートするかは適時求職者の方のご要望を伺いながら進めています。
主人公はあくまでも求職者様ご本人であり、我々は影の伴走者です。


この上流の整理こそが弊社事業の最大の提供価値といっても過言ではありません。


その支援ポイントは、壁打ちによる「自己理解の促進」と「応募先企業や職種を理解し共感レベルまでブレイクダウンしていくこと」を基本原則としています。


一人で進めるには時間も労力もかかるテーマですが、これらの上流ポイントを外した転職活動はあまりおすすめできません。

『転職活動の失敗例』

これまで転職活動に失敗したとおっしゃる求職者の方の理由を集約すると2つに絞られます

・自己理解の不足
 「もっと自分の強みが活かせる仕事内容と思っていた」
 「自分の能力では通用しないレベルだった」


・入社した企業や職種の理解不足
 「どの程度まで求められるかあいまいなまま入社した」
 「仕事の進め方や分業体制を聞かず入社し求めていた理想とは真逆だった」
 「評価項目や昇進スピードが理想とは違った」


事前に抑えるべきポイントを押さえ、懸念やリスクを払うことができれば、より解像度の高い状態でイメージ通りの入社を実現し、転職を成功していただくことができると考えます。

年収アップ前提のプロモーション

『最初の年収アップだけが転職成功のゴールか?』

転職サイトやエージェントのプロモーションでは、ほぼ必ずと言っていいほど

「〇〇万円→●●万円へ」
「〇%アップで成功」

といった内容の謳い文句が飛び交っています。

転職での年収アップは、確かにゴールとしてわかりやすく一番に求めたい重要テーマです。
しかしながら、すべての人が入社時点でこのプロモーションの対象となるかといえばそうでもありません。

プロモーションでの先入観が強く、「転職とは年収を上げることこそ成功」という先入観が広がることを危惧しています。

ざっくりと申し上げて「年収とは個人が企業に提供する価値とその価値に対する企業の査定と予算とのバランスの結果」と考えます。

そして、様々な要因でこの変数は決定します。

・業界のリーディングカンパニーから中小企業やベンチャーに転職
そもそも企業の資本力が異なることや求められる仕事の幅が広くなることから、年収査定は厳しくなりがちです。仮に入社時点は年収スライドや年収アップした場合も、入社後の査定・評価基準はより厳しい世界ということを覚悟する必要があります。

・中小零細企業から大手企業への転職
入社時点では年収アップや充実した福利厚生が望める代表例です。しかし、入社後の昇進チャンスやスピードは中小零細企業と同じとは限りません。社員数が多くポストの競争率が高いことや、新卒からの生え抜き重視といった文化の企業もあります。また、将来の成長という点では個人のパフォーマンス中心の環境からブランドや看板の追い風を受ける環境となり、いつの間にかスキルや能力を磨く機会が減り、武器としていた強みや価値が薄れる可能性もあります。


・40代や50代の転職
ミドル層の転職は、“一旦実力を見極めて”という採用スタンスをとる企業も増えます。
現職で管理職をされている方に多いパターンとしては、まずは転職先企業で管理職候補として入社し、その企業の仕事のスタンスや流儀を吸収してから、管理職に進んでいくというパターンです。その際の年収は「一旦、現職スライドか少し下がって(しゃがみこんで)、1~3年でジャンプして転職前よりもアップを目指す」という構図となります。


このように、必ずしも転職=年収アップという図式ではありません。プロモーションはあくまでもプロモーションとして、割り切って活動を開始されることをお勧めします。

Prime Careerでは、年収アップは勿論重要な目標としてご支援します。
さらに、入社後に活躍できる環境か、この企業であれば覚悟を持って取り組めるミッションや社風か等も重視してすり合わせを行います。

そして、最も重視しているのは、入社後の継続性と活躍であり「生涯年収」をどう描けるかというテーマです。

 

確率論が中心のエージェント業界

『“とりあえず応募しましょう”というエージェントはおすすめできません』


テクノロジーの進化により、特に大きな組織のエージェントでは、転職支援業務の自動化やAI化が急激に進んでいます。自動的に仕事が回せるようになると、一人一人の求職者の方に合わせた支援から、自社の自動プラットフォームにマッチした転職支援をベースにしたサービスになりがちです。


「10社以上は応募しないとよい転職に繋がりません」
「とりあえず、まずは応募して様子を見ましょう」
「できる限り多くの求人をお送りするので、多くの可能性を考えて応募をしてください」

このような促進文句を訴求し、とにかく沢山の求人に応募承諾をもらう、その後は求職者ご本人の努力に頼り、確率論で事業を運営するエージェントがあるというお話をよくお聞きします。

確率論が中心とは、例えば、10社応募すれば1社ぐらい内定出るだろうというエージェント都合の「10%の確率」をベースにした転職支援事業の運営を指します。

実際に、最近ご転職を支援した20代の男性の方は、メール管理できない程多くの求人が一つのエージェントから毎日飛ばされてきて、私との転職活動のやりとりが埋没してしまう・・・とお困りになり、面談中にその場でそちらのエージェントのサービスを解約されました。


『安易な確率論応募を避けるべき理由』

確率論応募をおすすめできない理由は大きく3つです。

・入社後にGAPが発生する可能性が高くなる
内定をもらうのはあくまでも手段です。本来の目的は転職後の更なる活躍でのキャリアアップです。一気に多くの企業に応募するということは、自身の強みやこれからどうしていきたいかといったご自身の方向性の決定、業界・企業・職種理解、将来の目標等がしっかりとセットされていない、つまり、絞り込みがゆるいと言えると考えます。

「行ける企業に行くのではなく、行きたい企業・環境でやりたいことに全力でチャレンジする」これこそが転職の本質ではないでしょうか。

・上手くいかなかった時の改善が難しくロスが大きい
例えば一気に10社書類選考をしてスムーズに事が運べばよいですが、もし上手くいかなかった場合はどうしてダメだったかを検証して改善するアクションを進めにくくなります。

さらにボリューム勝負で10社追加応募といったことを繰り返す内に、応募先が業界からなくなったという方が過去におられました。

また、前回の転職活動で多数の企業にエントリーされていた方が、再度2~3年で転職する状況に陥った場合、業界内の企業では「過去応募歴有多数」となり、再選考NGの企業ばかりといった方もおられました。
 

・採用企業の人事に配慮がない
皆様が採用する企業の人事担当者になられたと仮定して、何となく応募した求職者を採用するお考えに至るでしょうか?きっと答えはNOだと思います。


人材不足の日本において、多くの応募があるのは企業にとって喜ばしいことですが、自社のことを本気で志望していない求職者や、理解不足な求職者の方の応募は、人事を中心に採用に携わる企業担当者の工数をやみくもに増やすことに繋がります。


熱意ある求職者の選考に時間を掛けたい人事の想いとは裏腹に、多くのとりあえず応募の書類選考で時間を取られるといった悲鳴を伺うこともよくあります。


ご自身が志望度高く応募を進めた企業に対して、その熱意と同じ温度で選考を進めていただきたいと思うはずです。採用企業側への配慮という意味でも確率論で事業を進めるエージェントをおすすめしません。

ミッションの実現へ

『Prime Careerは、今後もミッションの実現に向けて成長を目指します』
まだまだお役に立てない事案や反省点も多い足元の活動を真摯に見つめ、我々の活動で少しでも記載した問題をクリアし、より多くの方の「キャリアの最盛期のアップデート」「生涯年収アップ」を実現できるよう活動を続けて参ります。